情報ネットワーク11
-アプリケーション層
--動作を担当するWeb/メールサーバソフトは,サーバ側の通信アプリケーションと目的に応じて,通信プロトコルを選んで通信する
---WebページをやりとりするHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)
---ファイルの送信を行うFTP(File TransferProtocol)
---メール送信では,SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
---メール受信では,POP3(Post office Protocol version 3)
---ネットワークに接続された通信機器を管理するSNMP(Simple Network Management Protocol)
----ルータ,スイッチ,サーバなどTCP/IPネットワークに接続された通信機器に対して,UDPベースのネットワーク監視,ネットワーク経由で監視・制御するためのアプリケーション層のプロトコル
----導入したネットワーク機器の動作状況を監視できる
---時刻合わせで用いられるNTP(Network TimeProtocol)
----ネットワークに接続された機器が,正しい時刻を設定するために用いる
---クライアントからサーバへの時刻情報の問い合わせに特化したシンプルな通
信プロトコルがSNTP (Simple Network Time Protocol)
-名前解決
--ネットワーク上に存在するコンピュータなどの端末や,ネットワーク機器に付けられた名前から,IPアドレスを割り出すこと
--DNS(Domain Name System)という通信プロトコルによる名前解決
--DHCP(Dynamic Host Control Protocol)
---ネットワークにコンピュータを接続すると,IPアドレスが自動的に割り当てられる通信プロトコル
--人間が記憶したり,すべてIPアドレスを利用して通信相手を特定したりするのは大変
--サーバには,人間が利用しやすいように,ホスト名をつけ,IPアドレスとホスト名を対応させる
-ARPANET(Advanced Research Projects Agency Network)
--1969年パケット交換方式による,長距離データ通信を行う実験ネットワーク,インターネットの原型
--HOSTS.TXT
---IPアドレスとホスト名の対応が記述された一覧表であるテキストファイル
---SRI(Stanford Research Institute)という組織のNIC(Network Information Center)
が管理
----各ホストマシンの管理者がSRI-NICにメールで通知
----NICはFTPサーバにアップロードし,各ホストは,HOSTS.TXTファイルをダウンロードして,ホスト名のデータベースとして参照
----回線はすぐに一杯になる
----管理が一箇所で行われていたために,登録更新ができない
----全てのホストが最新のデータを保持しているとは限らない
-DNS
--ドメイン名の導入,DNSサーバの分散管理,クライアント・サーバ方式
--DNSデータベースは,ツリー構造
---ルートのすぐ下の階層のドメインを,TLD(Top Level Domain)
---TLDの下の階層のドメインをSLD(Second Level Domain)
--ドメイン名前空間に設定されたドメイン名で,それぞれのホストを管理
-ドメイン名
--組織ごとにつける名前
--インターネットでは,ドメイン名の管理は公的機関が管理
-ホスト
--各組織に所属するコンピュータのこと
-TLD
--管理しているのはICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers
--gTLD(generic TLD:分野別トップレベルドメイン)
---商用を表す「.com」,ネットワークを表す「.net」,非営利団体を表す「.org」,企業専用の「.biz」,汎用の「.info」,個人専用の「.name」
---米国のみで許された,特殊なTLD
----教育組織につけられる「.edu」,軍関連組織につけられる「.mil」,政府関連組織につけられる「.gov」
--ccTLD(country code) TLD:国別コードトップレベルドメイン
---その国や地域に存在する団体,個人でないと取得できない
----日本に定義されている「.jp」やイギリスに定義されている「.uk」,フランスに定義されている「.fr」,米国に定義されている「.us」,オーストラリアに定義されている「.au」
---スポンサー付きのTLD
----博物館・美術館向けの「.museum」,旅行業向けの「.travel」,郵便事業者向けの「.post」,航空運輸業界向けの「.aero」,モバイル業界向けの「.mobi」など,sTLD(sponsored TLD)
-SLD以下のドメイン
--各国のNIC(Network Information Center)が管理
---日本では,JPNIC
----日本のSLDには,汎用ドメイン,都道府県型ドメイン,地域型ドメイン,属性型ドメイン
--属性型ドメイン名
---企業組織向けの「.co」,大学等教育組織向けの「.ac」,大学以外の教育組
織向けの「.edu」,政府組織向けの「.go」,ネットワーク組織向けの「.ne」,非営利団体向けの「.or」
-ホスト名
--ドメイン名とホストであるサーバ名の名前を組み合わせ
--FQDN(Fully Qualified Domain Name)完全修飾ドメイン名
--右に行くほど上位のドメイン名
--各ラベルは63文字以下,ドットを含めた全体で,255文字以下でなければならない
--英文字の大文字,小文字は区別されない
-ドメイン名のメリット
--ドメイン名には個人名や会社名,キーワードなどを入れることができる
--ドメイン名は,抹消の手続きをしない限り,半永久的に使用できる
--各ホスト名がIPアドレスとともに格納されているデータベース(DNSデータベース)の情報全体
--DNSサーバソフトウエア
---対応するIPとホスト名の組み合わせを問い合わせてきた情報端末に対して結果を送り返す
---ドメインを管理する範囲を「ゾーン」というため,DNSデータベースは「ゾーンファイル」とも呼ばれる
--DNSデータベースは,ツリー構造
---DNSデータベースの分散管理
----ドメインを境にデータベースを分割し,全体で1つのデータベースの働きをする
--最上位に位置するネームサーバは「ルートサーバ」と呼ばれ,全世界に13台が分散配置
--リゾルバ
---DNSクライアントで,問い合わせを行うプログラム
-権威DNSサーバ
--各階層や組織ごとに用意されていて,各ドメインの情報を管理
---ほかのネットワークからの自ドメインに対する問い合わせ
-キャッシュDNSサーバ
--名前解決の手順で示した,DNSの問い合わせをするネームサーバ
-権威DNSサーバ
--問い合わせに対して対応するネームサーバ
--あるゾーンの権威DNSサーバが停止してしまうと,そのゾーンの名前解決ができなくなる
---通常2台以上の権威DNSサーバが配置される
---プライマリネームサーバ
----登録作業を行う権威DNSサーバ
---スレーブネームサーバ
----バックアップを行う権威DNSサーバ
--再帰的検索
---リゾルバとそのゾーンのキャッシュDNSサーバの問い合わせ
---自分のゾーンファイルで解決できない問い合わせは,他のゾーンの権威DNSに問い合わせて名前解決
--反復的検索
---キャッシュDNSサーバと権威DNSサーバとの問い合わせ
---自分がもつゾーンファイルのみを検索し,解決できないときには,「分からない」
-DHCPP(Dynamic Host Configuration Protocol)によるIPアドレス配布手順
--BOOTP(Bootstrap Protocol)をもとに開発
---MACアドレスと,IPアドレスの対応表を,あらかじめBOOTPサーバにもたせ,問い合わせて来たホストのMACアドレスに対応したIPアドレスをホストに返す
--IPアドレスを,適切に配布・管理するための仕組みであるDHCPサーバを用意し
--クライアントに対して,自動的に重複しないIPアドレスを割り当てる
--DNSサーバやデフォルトゲートウェイといった,TCP/IPの通信に必要な情報もクライアントに返す
-DHCPの仕組み
--DHCPサーバ内のアドレステーブルに,割り当ててもよい一定数のIPアドレスを動的割り当て用として確保
--クライアントから要求があるたびに,その時点で割り当てられていない適切なIPアドレスを貸す
--DHCPサーバは,DHCPクライアントになれないため,必ず固定のIPアドレス
--他のホストから参照されるホストは,固定のIPアドレスを設定
--DHCPクライアントは,DHCP DISCOVERメッセージを,ネットワーク上にブロードキャスト
--DHCP DISCOVERには,自分のMACアドレスを設定
--DHCPサーバはDHCPクライアントに配布できるIPアドレスをアドレスプールとして設置
--DHCPサーバは,DHCP DISCOVERメッセージを受け取ると,アドレスプールから,まだ割り当てをしていないIPアドレスを,DHCP OFFERメッセージとしてブロードキャスト
--配布されたIPアドレスを受け入れるときは,DHCP REQUESTメッセージをブロードキャスト
--指定を受けたDHCPサーバは,再度IPアドレスを確認して使用を許可する場合は,DHCP ACKメッセージをブロードキャスト
--配布したIPアドレスと,DHCPクライアントのMACアドレスの対応表をアドレステー
ブルに追加
--配布されたIPアドレス宛てにARP要求をして,MACアドレスを問い合わ
-DHCPリレーエージェント機能
--ルータ等,サブネットを超えることができるネットワーク機器
--ルータに,DHCPサーバのIPアドレスを設定しておき,ブロードキャストで流れてきたフレームを,ユニキャストでDHCPサーバに送信